フレスコ画というと、思い出すのは壁画や、宗教画です。
フレスコ画は、壁画の技法として発達し、イタリア、ルネッサンス期に隆盛し現在も多数残っている。
ジオットや、ミケランジェロなど数多くの画家によって歴史的な名作がある。
(注)ジオット(1267~1337年)アッシジのサン・フランチェスコ教会やパドヴァのスクロヴェー二礼拝堂に壁画を制作、フレスコ画の父といわれる。
フレスコ(fresco)とは、「新鮮な」という意味のイタリア語(英語のfresh)です。
フレスコの技法が、漆喰壁が生乾きのうちに、描き上げることから名づけられたといわれる。
描かれた後も「新鮮な」色彩を保ち続けていることからも、まさにfrescoと言っていいのではないかとも言われる。古い技法書の中に「鮮画」と訳しているものもある。
フレスコ画は大別して
①フレスコ・ブオーノ(真性のフレスコの意味)
②フレスコ・セッコ(乾いたフレスコの意味)
①は、漆喰壁が生乾きのうちに、顔料を水だけで溶いて描く。接着剤は一切使わない方法。
代表的なものは、ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の壁画と天井画。
②は、乾いた漆喰壁に膠や卵を媒剤として彩色する技法。
有名な、レオナルドダヴィンチの「最後の晩餐」は、この技法による。
②は、長い時間経過すると、媒剤の劣化により剥離することが多い。
①のフレスコブオーノが、他の絵画(油絵・日本画)と異なる点は一切のメディウムや接着剤を使わないことにある。
なぜ、接着性のない顔料が定着するのか?
フレスコ画に用いられる材料=石灰、砂、顔料、水
石灰の中の成分が顔料を定着させる。
石灰に含まれたガラス質の成分が顔料を包みこみ定着する。また、描かれる漆喰壁の方にも、定着させる成分がある。
石灰は、文字通り石の灰で、石灰岩を高温で焼いて作られる。
その際石灰岩に含まれた炭酸ガスが放出される。こうしてできあがったものが生石灰で、これに水を加えて消石灰にして使う。
②のフレスコセッコで用いられた技法の多くはテンペラ技法。
テンペラ画は、メディウム(媒剤)を用いるが、卵テンペラが一般的。
(参)フレスコ画の技法 日貿出版社