東京・目黒区、駒場にある「日本民藝館」です。
場所は、京王井之頭線・駒場東大前下車徒歩約7分、駒場公園の一角にあります。
日本民藝館は、「民藝」と言う新しい美の概念の普及と「美の生活化」を
目指す民藝運動の本拠として、思想家の柳宗悦(1889~1961)により
企画され、実業家の大原孫三郎氏をはじめ民藝運動に賛同した
富本憲吉、河井寛次郎、浜田庄司、柳宗悦らが設立しました。
こちらの建物が、その民藝館本館です。
こちらは、通りを挟み、向い側の別館です。
「西館長屋館」です。
旧柳宗悦邸で、東京都指定文化財です。
栃木県から移築した石屋根の長屋門(1880年建造)と、
柳の設計による母屋からなっています。
1935年に完成、柳宗悦が没するまで生活の拠点とした
建物です。
こちらは、本館を左から見たところです。
同様、本館正面です。
左手に、入館のチケットを買う窓口があります。
本館は、西館の長屋門に意匠をあわせて、設計されたものです。
設計は、細部まで柳宗悦が手掛けました。
西館の2年後の竣工です。
正面玄関右側です。
所蔵品は、陶磁器、染織、木漆工、絵画、金工、石工、編組などです。
古今東西の緒工芸品約17000点で、国内外で高い評価を受けています。
日本民藝館は、2階建ての和風建築です。
日本は、明治の開国以来、「美」の概念も西欧の思想をそのまま受け入れて
「美」の表現こそが造形活動の目的だとする認識のもとに、彫刻と絵画が
それをになうものと称してきました。
それに対し、工芸の作物は、実用という制約に拘束されるために
美の表現には適さないとして軽視されてきたのです。
その概念に疑問を投げかけ、民藝の作物に光をあてたのが
柳宗悦です。そして共感した大原孫三郎は、昭和初期には
巨額の10万円を寄進してこの民芸館は建てられました。
(参考資料:小冊子 民藝 2011年9月号その他関連資料)