
作品title:「鬼の念仏」
「大津絵について」
大津絵は近年注目の絵です。
2016年7月に日仏会館で開催された
「国際シンポジウム 大津絵を読み解く」を契機に
注目されている絵画です。
滋賀県大津市が発祥の絵です。
江戸時代と言えば、代表的なのが浮世絵
でも、この大津絵も庶民の間で人気でした。
東海道の大津市の大谷・追分周辺で、旅人を相手に売られた土産品、護符として
売られてきた絵画です。
その起源については諸説ありますが、一説によれば慶長年間に発生した
本願寺の分立により、門前町から立ち退きを命じられた絵仏師たちが
追分周辺に転居し、旅人相手に手頃な値だんの仏画を販売したのが
始まりと言われています。時代が降るにつれ神社の絵馬に見られる図柄や
風俗画など幅広い画題を取り入れた大津絵は同時代の絵画だけでなく
人形浄瑠璃、歌舞伎、浮世草子や合巻などの文学作品、そして庶民の道徳哲学などにも
影響を与えるほどの人気を博します。
その後明治時代になると、この素朴でユーモアの溢れた作品を
多くの画家や美術家が収集しました。
河鍋暁斎、富岡鉄斎、山村耕花、長野草風、北大路廬山人、梅原龍三郎、
バーナードリーチ、柳宗悦など。
特に数多く蒐集したのが洋画家の小絲源太郎(1887~1978)です。
これは最近になって分かりましたが、その蒐集の理由などは記録が
なく不明です。
大津絵は土産絵という性質上多くは残っていません。
簡素な品であり大量生産されていたにもかかわらず
残存数は少ないのです。
少ない上に、震災や戦災で失われた絵も多く
名品の数はさらに限定されたそうです。
特に初期の頃の作品は少なく、この初期の作品が色あいといい
構図といいとても優れています。
おおらかでユニークな作品、またユーモラスな作品もあります。
気持ちをなごませてくれるような、ほっこりとしたこれらの絵は
ながめていると楽しくまた当時の庶民の日々の生活も見えてきます。
現代では、大津絵が江戸時代~近代の文学史に与えたこれらの影響について
様々な角度から研究が進められています。

作品title:「傘さす女」

作品title:「青面金剛」しょうめんこんごう